「うちゅうって、どんなところ?」子供が夢中になる宇宙の絵本10選【第2弾】

夜空にきらめく星や、遠くの惑星に思いをはせる心は、大人も子供も同じです。
特に絵本は、子供にとって宇宙をぐっと身近に感じさせてくれる入り口。美しいイラストや物語を通じて、夢中で宇宙を旅しながら、自然と科学への興味や想像力を広げていきます。
ここでは宇宙に興味を持ち始めたお子さまにぴったりの「宇宙の絵本」を10冊ご紹介。以前ご紹介した絵本と合わせてラインナップに加えてみませんか?

3歳~幼稚園

ろけっとこざる


ロングセラーの絵本シリーズ、「おさるのジョージ」の一冊です。
好奇心旺盛で様々なトラブルを起こすおさるのジョージが、宇宙に行く実験用のロケットに乗り込むことに。ジョージは宇宙から無事帰ってこれるのか、子供と一緒にドキドキできるストーリーも魅力です。
「ろけっとこざる」の初版は1957年、ロシアのスプートニク1号の打ち上げに成功した年であり、宇宙開発が注目された時代であったこともストーリーの背景にあります。

書籍データ

絵・文:H.A.レイ 翻訳:光吉 夏弥
大きさ:A4判
ページ数:48ページ
出版社:岩波書店
出版年:1959年(翻訳初版)
公式サイト:https://www.iwanami.co.jp/book/b254767.html

宇宙りょこうへでかけるえほん


前回ご紹介した「はじめてのうちゅうえほん」と同じシリーズの絵本です。
宇宙開発の歴史や宇宙船や宇宙服の仕組みといった宇宙開発の知識を、かわいらしい絵柄とやさしい言葉で解説。
さらに「宇宙では、音や匂いって変わるの?」 や、「無重力の中でトイレに行きたくなったら、どうするんだろう?」 といった、宇宙の暮らしに関する素朴な疑問に答える情報も豊富に紹介されています。
宇宙への興味から一歩進んだ、「宇宙開発」の入門に最適です。

書籍データ

絵・文:てづか あけみ 監修:斎藤 紀男
大きさ:A4判
ページ数:48ページ
出版社:パイ インターナショナル社
出版年:2014年
公式サイト:https://pie.co.jp/book/i/4528/

ロケットかがく for babies


「ロケットかがく for babies」は0歳への読み聞かせもできる子供向け科学絵本です。空を飛び宇宙へ行くために必要な揚力や推力といった「力」の仕組みを視覚的かつ直感的に解説しています。
「for babies」とあるように、3歳以下の年齢でも親しみやすい内容で、「ふわっ」「どっかぁーーーーん!」といった擬音語・擬態語を多数盛り込んでおり、大人の読み聞かせはもちろん、字が読めるなら子供が自分で読み上げても楽しめるでしょう。
作者は物理学者であるクリス・フェリー氏、翻訳はNASAジェット推進研究所の技術者である小野雅裕氏が務めており、赤ちゃんの年代から専門的な科学知識に触れられる貴重な一冊です。

書籍データ

作: クリス・フェリー 訳者: 小野雅裕
大きさ:変型判
ページ数:28ページ
出版社:サンマーク出版
出版年:2021年
公式サイト:https://www.sunmark.co.jp/detail.php?csid=3934-4

小学校低学年(1,2年生)

重力って……


絵と文を自然科学をテーマにした絵本を発表しているジェイソン・チン氏、サイエンス作家の竹内薫氏が翻訳を行った科学絵本です。
重力について簡潔な文で解説するだけではなく、地球上から宇宙に飛び出していくストーリーと美しくダイナミックな絵で楽しめるようになっています。文字が大きくテキストが少なめで、じっとして聞いたり読んだりするのが苦手な子供向けにもお勧めです。
また、巻末には重力の性質についてより詳しく学べる、図解付きの解説ページが用意されているので、「もっと知りたい」にも応えられる本になっています。

書籍データ

作:ジェイソン・チン  訳:竹内薫
大きさ:23cm×29cm
ページ数:32ページ
出版社:偕成社
出版年:2017年
公式サイト:https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784032027501

月へ アポロ11号のはるかなる旅


人類初の月面着陸を行ったアポロ11号の軌跡を、精緻で美しい絵柄で描き出した本です。
アポロ11号の発射準備から月着陸の具体的なステップ、そして地球に帰還するまでの詳細な過程が描かれており、実際に読者を月面へと連れていってくれるような構成です。
簡潔でわかりやすい文章と美しい絵はいつまでも見ていたくなる魅力があるのに加え、巻末には大人向けの解説もあり、年代問わず楽しめます。

書籍データ

作・絵:ブライアン・フロッカ  訳:日暮雅通
サイズ:28cm×25cm
ページ数:40ページ
出版社:偕成社
出版年:2012年
公式サイト:https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784033482408

あなたと宇宙 ホーキング博士からのメッセージ


2018年に亡くなった物理学者スティーブン・ホーキング博士と、ルーシー・ホーキング氏が文、シーン・リー氏が絵を、そして千葉茂樹氏が訳を手掛けたノンフィクションの絵本です。
ホーキング博士の専門領域であったブラックホールの謎をはじめ、星の数やタイムトラベルについて子供たちにやさしい言葉で問いかけ、巻末で解説を行う仕組みになっています。
さらに後半は「どうしたらおたがいにたすけあえるか」「地球をまもるためになにができるか?」といった答えのない問いを提示、科学的な知識だけではなく倫理的・社会的な課題にも触れる貴重な機会を作ることができます。
2025年に出版された新しい絵本であり、「未来の科学者に贈るメッセージ」として、偉大な科学者の残した言葉が刻まれています。

書籍データ

文:スティーブン・ホーキング 、ルーシー・ホーキング 絵:シーン・リー 訳:千葉茂樹
サイズ:A4変
ページ数:33ページ
出版社:光村教育図書株式会社
出版年:2025年
公式サイト:https://ehon.mitsumura-kyouiku.co.jp/book/b10107389.html

小学校中学年(3,4年生)

大きな大きなせかい


加古 里子(かこ さとし)氏による絵本で、ページが進むごとに世界の大きさを10倍ずつ拡大していくというユニークな手法で構成されています。
1mの視点から旅を始め、人間やエッフェル塔などの建造物、富士山を遥かに超え、やがて地球を飛び出し、太陽系、恒星、星雲、そして銀河団へ……ページをめくるごとにはるか彼方に行くとともに、計り知れないその宇宙の大きさを実感できるでしょう。
前回紹介した同作者による「宇宙」と併せて読むこともおすすめです。

書籍データ

文・絵:加古 里子
大きさ:30cm×24cm
ページ数:36ページ
出版社:偕成社
出版年:1996年
公式サイト:https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784034372104

タンタンの冒険 「めざすは月」「月世界探検」

ベルギーの漫画家エルジェによる漫画シリーズ『タンタンの冒険』から、月面旅行を描いた作品です。
主人公タンタンが月面に向かう「めざすは月」、月面での冒険と地球への帰還を描いた「月世界探検」に分かれており、2冊セットで読むのがおすすめです。
発表されたのが1953年とアメリカの月面着陸よりおよそ20年ほど前の作品でありながら、荒涼とした月面の様子が描かれているのが特徴的。また、ただ月を冒険するだけではなく、スパイによる妨害や酸素残量の危機など、緊張感あふれる展開と未知の世界への期待感に、大人も子供も思わず夢中になってしまいます。

書籍データ

作:エルジェ 訳:川口 恵子
大きさ:31×23cm
ページ数:64ページ
出版社:福音館書店
出版年:1991年
公式サイト(めざすは月):https://www.fukuinkan.co.jp/book?id=242
公式サイト(月世界探検):https://www.fukuinkan.co.jp/book?id=247

アームストロング 宙飛ぶネズミの大冒険


ドイツの絵本作家トーベン・クールマン氏による絵本シリーズ「ネズミの冒険」の一冊です。
ニューヨークに住む小さなネズミが自分でロケットを開発、月へと飛び立つストーリーが写実的な美しい絵で紡がれます。ロケット開発は設計図などを書いている様子だけではなく、途中で火災が起きるなどの失敗なども描かれ、リアルなロケットの開発を見ているよう。
巻末には「宇宙飛行のかんたんな歴史」もまとめられており、空想の物語を楽しむだけではなく、現実の宇宙開発について学ぶこともできます。


絵本『アームストロング 宙飛ぶネズミの大冒険』プロモーション動画 – ブロンズ新社公式You Tube

書籍データ

作:トーベン・クールマン 訳:金原 瑞人
ページ数:117ページ
サイズ:277×213mm
出版社:ブロンズ新社
出版年:2017年
公式サイト:https://www.bronze.co.jp/books/post-139/

ブラックホールってなんだろう?


謎に包まれた天体「ブラックホール」の正体を解き明かすことをテーマにした絵本です。
隕石や星など周囲のものを吸い込むといったブラックホールの基本的な情報の紹介から始まります。その特性から「悪い存在」として扱われてきた歴史を踏まえつつ、宇宙にとって重要な働きをしている可能性があることなど、長年の研究で分かってきた情報からブラックホールの性質を解き明かしていきます。
宇宙の仕組みや未知の世界への興味を広げるきっかけとしてもおすすめの一冊です。

書籍データ

文:嶺重 慎 絵:倉部 今日子
大きさ:26×20cm
ページ数:40ページ
出版社:福音館書店
出版年:2022年
公式サイト:https://www.fukuinkan.co.jp/book?id=7100

ワクワクしながら宇宙を知ろう

宇宙の絵本は、ただの読み聞かせではなく、子供が初めて「宇宙っておもしろい!」と心が開く入り口となります。ワクワクしながら読み進めるうちに、惑星や星座、ロケットの仕組みなど、自然と科学的な視点にも触れることもできます。そしてそれは、大人にとっても同じ。好奇心を共有する時間は、親子の会話を深め、未来の探求心を育てる力にもなります。日常の夜空が、もっと特別に見えるきっかけになりますように。

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