感動体験! ロケットの打ち上げを観に行こう!

2023年国産の新型ロケット「H3」の打ち上げが2月に予定されており、宇宙開発分野の注目度が高まっています。

世界的なロケット発射数は年々増加傾向にあり、ネットで中継されることも増えましたが、迫力のあるロケットの打ち上げを一度、現地で見てみませんか?

ロケット打ち上げは見学できる?

日本国内のロケット発射場は国立の施設が2カ所、民間の施設が1カ所(建設予定の物を含めると2カ所)となります。今回H3ロケットの打ち上げが行われるのは、種子島南東部にある種子島宇宙センターです。

ロケットの打ち上げ予定が決まると、予定日前後や当日は発射場周辺数kmが安全のため立ち入り禁止となり、その外にロケット発射を見学するための専用スペースが解放されることが多いようです。

また、ロケット打ち上げは地域の一大イベントとしての側面もあり、打ち上げを見学できる旅行ツアーなどが組まれることもあります。

H3ロケット打ち上げの注目ポイント

今回打ち上げられるH3ロケットは、現在主力となっている大型ロケットH-IIの後継機で、2014年から開発が行われていたものです。「20年間使用できるロケット」という考えのもと、H-IIロケットより開発および生産コストを抑え、準備期間の短縮や目的に合わせたロケットの組み立てを可能にしました。

これまでの大型ロケットは国の人工衛星や惑星探査機を打ち上げるのが主な目的でした。ロケットの低コスト化とともに、柔軟性を高めることで、民間企業などでも宇宙輸送が利用しやすくなります。将来的には、年間に6回の打ち上げが実現可能の予定です。

 

また、H3ロケットには先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)が相乗りします。

「だいち3号」は高性能な光学センサーを搭載し、前身となる光学衛星「だいち」より鮮明な画像の取得が可能になりました。陸地を地球規模で観測し、そのデータ防災や災害対策などの安全保障に活用される予定です。

種子島宇宙センターとは?


種子島宇宙センターからロケットが打ち上がるまで-JAXA公式You tube

種子島宇宙センターは、JAXAが運用している日本で最大の規模を誇る宇宙施設です。総面積約970平方メートル(東京ドームおよそ200個分)の広さをもつ宇宙センター内は、発射場をはじめ、衛星・ロケットの組み立て棟、エンジン・ロケットの試験場、宇宙科学技術館、総合司令塔といった施設で構成されています。

 

1968年に設立されて以降、約180回の打ち上げが行われており、多数の人工衛星を宇宙に送り出してきました。打ち上げの目的は主に人工衛星をはじめとした宇宙輸送で、有人飛行は行われていません。

打ち上げ時の見学方法

大型ロケット発射場である大崎射場は、管制塔や宇宙科学技術館から2kmほど離れた大崎海岸沿いにあり、打ち上げ実施時は4カ所の見学場が解放されます。

射場にはH-IIロケットを打ち上げる第1射点と、H3ロケットを打ち上げる第2射点の2つの射点があり、場所によってはどちらか一方もしくは両方が隠れてしまう見学場もあります。

宇宙ヶ丘公園

種子島南部中央にある公園です。打ち上げの見学場および展望台が併設されており、ロケットを追跡するアンテナも公園内に設置されています。ロケットの一部が山に隠れてしまいますが、射点まで遮るものがなく見通せます。射点からは7kmほど離れているため、双眼鏡を持っていくと発射の様子などをよく見ることできます。

長谷展望公園

射点から6kmほどの所にある、見学場の中でも最大規模の公園です。打ち上げ当日には多くの見学者が訪れます。ロケット発射を見るために整備されており、見学場後方でも射点が見えます。第1射点は一部ロケット格納庫に隠れてしまいますが、第2射点は問題なく見ることが可能です。

南種子町営陸上競技場(前之峯グランド)

市街地から近く、アクセスのしやすい見学場です。射点は山に隠れて見えませんが、打ち上げ時直後に山の向こうから出てくるロケットを見ることができます。

恵美之江(えびのえ)展望公園

発射場に最も近い見学場です。射点の北3kmの場所にあり、海を挟んでロケット格納庫や2つの射点を見ることができます。発射場と距離が近いため、ロケット打ち上げの際は音や振動・衝撃も間近で感じられる場所です。朝日及び夕日のビュースポットでもあり、打ち上げのない日は発射場と美しい海の景色を楽しめます。

打ち上げ時の入場は事前抽選制で、打ち上げが予定されていると南種子町の公式サイト※から申し込みが可能です。(H3打ち上げの事前抽選は終了)

 

※ ロケット打ち上げ情報 – 南種子町公式サイト
http://www.town.minamitane.kagoshima.jp/sightseeing/uchiage.html

 


 

いずれの見学場も駐車場やお手洗いが設置されています。

また、打ち上げ日以外では宇宙センターと発射場の中間に「ロケットの丘展望所」があり、発射場を一望できます。(ロケット発射当日は立ち入り禁止区域)

 

見学可能な施設


宇宙科学技術館の紹介-JAXA公式You tube

ロケット発射当日は立ち入り禁止の区域となりますが、種子島宇宙センターには宇宙科学技術館が併設されており、無料で見学可能です。

ロケットの歴史や人工衛星・ロケットの部品・実物大モデルの展示など、宇宙開発を学べるコンテンツが充実している他、宇宙船にいるような写真が撮影できるコーナーや、ここでしか買えないグッズを販売しているショップもあります。

 

また、宇宙センター内を廻るバスツアーも開催されています。

ツアーではスタッフによる解説を聞きながら、発射場や管制室、ロケットガレージを見ることが可能です。技術館の開館日に1日3回(12月~2月は1日2回)開催され、事前予約が必要ですが、無料で参加できます。(天候などにより運休あり)

お子さまをはじめ、大人でも存分に楽しめる施設です。

施設情報

種子島宇宙センター

〒891-3793 鹿児島県熊毛郡南種子町大字茎永字麻津

電話 0997-26-9244

宇宙科学技術館開館時間 9:30~16:30

宇宙科学技術館休館日 月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)

打上げ見学で宇宙を体感しよう!

近年はロケットの発射が動画配信されることも増え、発射場以外でもリアルタイムで打ち上げの様子を楽しむことができます。しかし、実際に現地に行って迫力のある発射の様子を見ることは、動画では得られない格別な思い出になるのは間違いありません。是非一度はロケットの発射を生で見て、すさまじいパワーを体験してみませんか。

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